本プロジェクトの概要

エンドオブライフケアの定義

千葉大学大学院看護学研究科では、広義のエンドオブライフケアとして、以下のように捉えています。

S Izumi et al. (2012), Defining end-of-life care from perspectives of nursing ethics, Nursing Ethics, 19(5). 

千葉大学大学院看護学研究科が“エンドオブライフケア”の推進・発展に取り組む理由

 日本は世界のどの国もこれまで経験したことのない超高齢多死時代を迎えています。多くの人は、人生の最終段階(エンドオブライフ)を苦痛なく、自分らしく過ごしたいと願います。身体の苦痛症状の緩和は医師や看護師等の医療者が中心になって行いますが、医療が日々進歩する現在にあっても、医療の力だけでエンドオブライフ期の心身状態を100%緩和することは難しいことが多くあります。最期の限られた時をいかに自分らしく過ごせるかは、当事者、家族を含む身近な支援者、医療介護専門職者を含む全ての人が、当事者自身が望む/望まない医療やエンドオブライフを過ごす生活の場、大切にしたいことをあらかじめ知り、現状と擦り合わせて、いかに実現できるかによります。当事者の大切にしたいことを尊重し、生きる力を最大限に発揮できるよう生活を整えることは、看護職者の大きな使命でもあります。
 文部科学省は、平成25年に全国の各国立大学と意見交換を行い、研究水準・教育成果・産学連携等の客観的データに基づき、各大学の強み・特色・社会的役割(ミッション)を整理した「ミッションの再定義」を策定しました。そのミッションにも明示されたように当研究科には、“看護を取り巻く社会のニーズに対応した新領域の研究(エンド・オブ・ライフケア看護学等)等を強化する。その成果を活かして、学内の部局間連携、医療機関等との連携、大学間連携を通して、看護教育・研究の向上を一層推進するとともに、国際的な発信・連携活動を強化する。”ことが求められています。
 千葉大学が総合大学である強みを活かし、看護学研究科の教育研究者が中心となって、他学問領域の教育研究者、そして市民と連携し、エンドオブライフケアに関する教育・研究を発展させ、私たち自身を含む“限りある人生を私らしく生きる当事者”や家族の皆様に成果を還元していきたいと思っております。

“エンドオブライフケア”教育研究プロジェクトにおけるこれまでの経緯

 千葉大学大学院看護学研究科では、2011年から2016年まで、日本財団助成事業の助成を受けて「エンドオブライフケア看護学講座」を設定し、事業を展開してきました。その中では、生活と医療を統合した観点としてのエンドオブライフケアの理論的構築・研究発信、看護師を中心とした専門職へのエンドオブライフケア研修、市民の方と協働で創り上げるエンドオブライフについての「語り」と「学び」のプログラム開発、および千葉大学看護学部・大学院看護学研究科、および、千葉大学内の全学部生に対する普遍科目における授業開発・展開を行なってきました。
 本学で取り組むエンドオブライフケアプロジェクトは、日本財団助成事業のこれまでの教育・研究・発信・活動を継承・発展させたものです。日本財団助成事業の成果については、こちらをご覧ください。